これまでの位相差顕微鏡検査で確認できるのは、歯周病の原因菌のなかの限られた菌だけでした。
このため、検査では原因菌が確認できないのに、歯ぐきの状態が悪い患者さんがいらっしゃいました。
歯周病菌DNA検査(リアルタイムPCR)では、より多くの悪玉菌を確認すことができるようになり、診断がしやすくなりました。
位相差顕微鏡で確認できる原因菌
・Treponema denticola (トレポネーマ・デンティコーラ
T.d )
T.d菌が多いと歯周病治療後にも再発するリスクが高いとの報告もあります。歯周病の増悪の目安になります。
歯周病菌DNA検査(リアルタイムPCR)により新たに確認できるようになった原因菌

検査キット
・Porphyromonas gingivalis(ポルフィノモナス・ジンジバリス P.g)
重度の歯周病(急性・慢性歯周炎)から検出されます。
・Tannerella forsythus(タンネレラ・ファーサイシア T.f)
特に歯周ポケットの浅い部分よりは深い部分で検出されることが多い菌です。難治性歯周炎症の指標として重要な菌種です。
・Aggregatibacter actinomycetemcomitans(アグリゲイトバクター・アクチノマイセテムコミタンス A.a)
重度歯周病の患者さまの歯周ポケットから高率に検出されるが、低い数値に検出されることが多い菌です。
・Prevoterlla intermedia(プレヴォテーラ・インターメディア P.j)
女性ホルモンによって発育が促進され、妊娠性歯肉炎や月経周期関連歯肉炎の原因とされている歯周病の原因菌です。
・Fusobacterium nucleatum(フソバクテリウム・ヌクレアタム F.n)
歯周内科治療を行う上で非常に消えにくい菌です。また、悪臭(口臭)の原因となる菌です。
検査の回数と料金

検査結果報告書
歯周病菌DNA検査(リアルタイムPCR)は 2回行うことをお勧めします。
1回目…初診時の菌の状態を見る
2回目…お薬を飲んだ後の菌の状態を見る
※以上、2回分の検査料金…\38,000
(歯周内科治療は保険外治療となります)
その後、3か月ごとの定期検診では、顕微鏡で菌の状態を確認します。
1年に1回は、歯周病菌DNA検査を行うことをお勧めします。