猫背とお口まわりの関係

 深く悩んでいるというわけではないとしても、猫背を気にされている方は少なくないのではないでしょうか。猫背は見た目があまりよろしくないだけでなく、肩こりや頭痛、太りやすくなる、他にも顔のたるみにつながるなど、いろいろと弊害が言われています。猫背とお口まわりの関係今回は特に猫背とお口まわりの関係をまとめてみます。
 猫背は背中が丸まり、頭が前にでている状態です。頭はその重みで前方にやや落ちたようなかっこうになりますが、そのままでは顔は下を向いてしまうので、頸を反らし頭を無理に持ち上げるような状態になります。
このような姿勢では胸を拡げることができなくなり、呼吸がしづらくなります。するとたくさんの息を吸おうとするので口呼吸になりやすくなります。
 口呼吸は以前のコラムでも触れましたが、鼻呼吸に比べて病原菌が入りやすくなるので、様々な病気にかかりやすくなるほか、口のなかが乾燥するので、口臭の原因ともなりますし、虫歯や歯肉炎、歯槽膿漏のリスクも高まります。
この口が開きがちの状態は、歯並びにも影響します。本来、唇は前歯を前方から支え、前歯が前方へ傾かないように抑えています。一方で舌は上の前歯の少し後ろの位置にあって内側から歯を支えています。口が開きっぱなしの状態だと唇での支えが利かなくなります。また舌も口呼吸で本来の位置から下がっているので歯を支えることができません。その結果、歯が前へ傾いて出っ歯になるなど、歯並びが変化してしまうのです。
 口が開きっぱなしで舌が下がった状態は寝るときにも影響が出てきます。本来の位置から下がっている舌は、筋肉が弱っていることもあって、寝るときにはさらに下がり気道をふさぐ位置になります。これは、『睡眠時無呼吸症候群』の原因にもなることがあります。寝る姿勢も少しでも楽に呼吸できるよう仰向けではなくうつぶせや横向きになりがちです。発育期にうつぶせや横向きの姿勢で寝ていると長い年月のうちには、頭の重さで顎の関節に負荷がかかり、歯並びが変わってきてしまいます。

 今回は猫背の人は口呼吸になっていくという話が中心でしたが、逆に鼻での呼吸が何らかの原因でできずに口呼吸になり、それが原因で猫背になるケースもあります。できれば放置しないで、改善を目指しましょう。